三重県多気町にミドリムシ(ユーグレナ)国内最大級燃料用培養プール建設へ
株式会社ユーグレナは東証一部に上場している東京大学発のベンチャー企業で知られています。ユーグレナ社は社名の通りユーグレナ(和名:ミドリムシ)を屋外で大量培養を世界で初めて成功させた企業として有名です。
そんなユーグレナ社が三重県にある多気町にバイオ燃料用の国内で最大級のミドリムシ培養プールを建設すると発表しました。
目次
三重県に建設のミドリムシ(ユーグレナ)培養プールとは
2016年9月に発表となった三重県多気町に建設される培養プールは、経済産業省の補助金を利用して建設されるミドリムシ(学名:ユーグレナ)の燃料用培養プールです。
そもそも、ミドリムシは植物性と動物性の栄養素を59種類もバランスよく摂れることから健康補助食品やサプリメントとして人気の素材です。これらのミドリムシは沖縄県石垣島にある屋外培養プールで培養された粉末を利用して作られています。
今回の建設されるミドリムシの培養プールは、健康補助食品としての目的ではなくバイオ燃料用として培養され、2018年までには3000平方メートルの国内最大級の培養プールが完成します。
2020年までにミドリムシで飛行機を飛ばす
今回の発表をした株式会社ユーグレナの出雲社長は「2020年までにはミドリムシで作ったバイオ燃料で飛行機を飛ばす」とお話しされています。それの実現に向けての大きな一歩が今回の三重県での燃料用培養プールの建設の発表となるのです。
そもそもミドリムシは健康補助食品という一面の他にも、バイオ燃料という顔も持っている生物です。ミドリムシの一部には油を蓄えている種類があり、それらを大量に培養して精製することで、自動車や飛行機などで利用できる新しいバイオ燃料として注目されているのです。
すでにユーグレナ社は全日空やいすゞ自動車と共同で国産バイオジェット燃料の実用化に向けて取り組んでいる最中です。
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なぜ三重県にミドリムシ培養プールを建設するのか
ミドリムシは太陽の光(日射量)が多ければ多い程、光合成が活発となり多くのミドリムシが培養できます。その為、現在稼働している培養プールは沖縄県の石垣島にあるのです。しかし、今回建設する三重県は石垣島より日照時間も短く、日射量も劣ります。
では何故、ユーグレナ社は三重県多気町に燃料用のミドリムシ培養プールを建設するのでしょうか?
ミドリムシの燃料用培養プールを作るには、ミドリムシの光合成に必要なCO2(二酸化炭素)が大量にある場所と、広大な燃料用のミドリムシ培養プール建設の土地が必要です。この条件に合うのが今回の三重県多気町だったのです。
三重県多気町には中部電力グループである中部プラントサービスの木質バイオマス発電所があり、その発電所から「ミドリムシのご飯」である大量のCO2が出ることと、その発電所の隣に広大な土地があることがミドリムシ燃料用プールの建設に最も適している場所だったのです。発電所からの排水や排熱のエネルギーも用いることで石垣島に負けない最適な培養場所と言えるのでしょう。
CO2を削減するバイオ燃料
発電所をはじめ、自動車や飛行機などから排出されるCO2は地球温暖化の原因の1つとされ、CO2の削減が今後の課題なのです。
よく見かけるバイオ燃料はトウモロコシなどの食材を利用して作られることが多かったのですが、今回ご紹介しているミドリムシはCO2を削減しながら燃料を作ることができる夢の素材なのです。
三重県多気町で培養されたミドリムシがCO2を利用して燃料を作り出し、その燃料を使った自動車などが排出したCO2をまたミドリムシが利用する。そんな地球に優しいサイクルも実現しようとしているのです。
ミドリムシ燃料の低コスト化へ
現在ユーグレナ社からの発表はないものの、ミドリムシから精製されたバイオ燃料の価格はガソリンなどの化石燃料に比べて高額です。ミドリムシをバイオ燃料として普及させるには低コスト化が欠かせません。
今回の三重県の培養プール建設により生産効率のアップと低コストの実現に向けての取り組みがさらに加速していくことでしょう。
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